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2020/01/25 18:54


 日本の食文化は今、大きな変革期にきているように思います。

 料理をする家庭が減り、食生活の大部分を外部の食産業(外食、中食、通販、ファーストフードなど)に頼る家族が増加しています。また、若者の間ではバラバラ食いとか勝手食いとかいった新しい風俗が広がっています。

 家庭で作る料理も各国の料理がいりみだれ、味つけや素材など従来にない組み合わせが登場し、食材なども海外の依存度が高まっています。

 そこで今回は我が国の食事情と食育について考えてみたい。

 人間が生きていくためには「食料」は欠かせません。 したがって「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得することは、健康な身体を維持し、生き生きと活動するために欠かせない要件であり、その国の文化程度は食に対する考え方に表れてきます。

 日本の「食」事情は、第2次世界大戦後、大きく変わりました。

 団塊の世代までの人々は、食糧難の問題は抱えていましたが、人々の食べる食料については健全な良質な食料だったのです。

 ところが、高度経済成長が始まり、大量生産大量消費の時代を迎え、私たちの口に入る食べ物はおかしくなってきました。

 日本の食料の供給は変わってきたのです。

 第一に、田畑で作られる作物は自然肥料から化学肥料に変貌したことを指摘したい。

 つまり、高度成長期以前の肥料は、人間と家畜の生産した下肥を原材料としてできあがっていました。

 しかしながら、下肥を田に搬入し、そして稲に蒔く作業は大変な労力を要し、重労働であったのですが、科学技術の発達によって石油エネルギーを使い機械化し、これらの重労働を軽減してきたのです。

 そして、下肥の代わりに化学肥料を使い始めたため、田畑に搬入し蒔く労力は格段に軽減され、作物も一見問題のないように思われていました。

 しかし、このような化学肥料を使った食べ物は①ミネラルがほとんどない。②ビタミンもなかなか生成できない。③抗酸化力が弱いのです。

 結果、人々の生命力を弱め、病気になりやすくなってしまいました。

 例として、"とまと"などの味を比較すると、戦後すぐの時と現在では歴然としています。

 第二に、食品添加物を使用し始めました。

 現在の流通システムが変化し、一日で供給・消費が完結しなくなったことが原因です。

 そこで、賞味期限を長くする必要上食品添加物を使うようになってきたのです。

 しかし、このような食品添加物は長年食べ続ければ、体に異変がおきてくるのは当然の帰結といわざるを得ません。

 この事が、アトピー等のアレルギー体質の子どもたちが多くなってきたことの原因の一つです。

 さらに冷凍技術の発達を生かして、冷凍保存して食料の賞味期限を延ばしてきたことも、健全な食べ物供給からすると問題になっているのです。

 第三に、問題にしたいのは白砂糖を大量に使い始めました。

 日本の歴史上でも砂糖は有史以来存在していましたが、戦後急速に輸入され、大量消費されるようになり、現在は砂糖の含まれていない食料を探すことが難しい時代になりました。しかもその砂糖の多くは精製された漂白砂糖です。

 合法的な麻薬と言われる白砂糖は食品ではなくて危険な食品添加物なのです。白砂糖の摂りすぎは骨や歯や血管に蓄えられたカルシウム(Ca)を奪っていきます。さらに白砂糖はガン・糖尿病を誘発しやすくなる等々の大いなる問題点が指摘されています。

 さらに砂糖はビタミン、ミネラルを根こそぎ剥ぎ取ってしまいます。特に0歳から12歳の子どもに砂糖を多く含む食べ物を与えると、将来的にイライラと怒りやすい性格に育ち、身体も太った大人になる可能性が高くなります。

 第四に、作物に遺伝子操作をして、害虫に強い作物を作り始めた点も指摘されます。

 遺伝子操作した作物は自然な作物ではありませんが、動物の餌として与えられ、その食肉を人が食べると間接的に問題のある食料を摂取した事になります。

 このように食の実態を考えると、近代の便利快適な社会は良質な食糧確保の点から見れば、非常に大きな問題点を含んでいる社会でもあります。

 したがって「食」については①まず実態把握をする。 ②その改善策を真剣に検討する。

 この二つを真剣に検討することが急務です。 そして、若者の間で拡がっている、バラバラ食いとか勝手食いといった新しい生活様式を改めて、家族一緒に食べ、「食」を家族の対話の場にしていくことが大事なのではないでしょうか。

 以上のような食に対する教育が見直されたとき、旭日の太陽がごとく発展性のある未来を創る基となるのではないでしょうか?

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